最近、SNSや経済系メディアで「気づいたら1億円たまっていた」という声をよく見かけるようになりました。
これは一部の成金の話ではありません。
実は、一般的な会社員として日々働きながら、知らず知らずのうちに資産1億円を超えていたという“いつの間にか富裕層”が、今、日本で増えているのです。
2月に野村総合研究所(NRI)が発表した調査によると、2023年時点で純金融資産1億円以上を保有する世帯は165万世帯に達し、調査開始以来最多を記録しました。
気づいたら1億円たまっていた “いつの間にか富裕層”が増殖中 弱点は金融リテラシー(AERA DIGITAL) – Yahoo!ニュース
特に注目されているのが、**年収500万~600万円台の会社員が、長年の投資や節約の結果、富裕層に到達した“隠れ富裕層”**です。

1|“いつの間にか富裕層”とは何者か?
NRIは今回のレポートで、「いつの間にか富裕層」とは
- 年齢は40代後半〜50代
- 一般企業の会社員
- 年収は500〜600万円台
- 地味な生活スタイルだが、投資や節約で資産を築いた人々
と定義しています。
ポイントは、「意識的に富裕層を目指したわけではない」という点。
派手なライフスタイルでもなく、豪快な成功談があるわけでもない。
ただ、毎月コツコツ投資を続け、給料を堅実に貯め、気がつけば1億円を超えていたという“無自覚な富裕層”です。
2|なぜ今、富裕層が増えているのか?
最大の要因はやはり株高です。
◆ アベノミクスによる恩恵
- 2013年以降の大規模金融緩和
- 企業の株主還元意識の高まり
- 日経平均やS&P500の長期的な上昇
これにより、株式や投資信託を長期で積み立てていた層の資産が急膨張したのです。
また、2014年にスタートしたNISA制度も後押しとなりました。
非課税で投資できる環境が整ったことで、会社員でも資産形成を実行に移しやすくなりました。
3|彼らのライフスタイルは“堅実”そのもの
エコノミストの崔真淑(さい・ますみ)氏は、こうした新富裕層の特徴として、
- 消費性向が低い
- 地味なファッション(ユニクロ・GUなど)
- 贅沢は「プチ旅行」レベル
- 派手な車や家を持たない
といった「堅実すぎる暮らしぶり」を挙げています。
気づいたら1億円たまっていた “いつの間にか富裕層”が増殖中 弱点は金融リテラシー(AERA DIGITAL) – Yahoo!ニュース
これは、彼らがバブル崩壊、リーマンショック、デフレ経済といった“下がる時代”を生き抜いてきた世代であることも関係しています。
「いざというときに備える」という意識が強く、資産が増えても浪費には走らない傾向が見られます。
4|実は危うい?「金融リテラシーの低さ」
NRIの調査で浮かび上がったもう一つの課題が、「いつの間にか富裕層の金融リテラシーは意外と低い」という点です。
彼らの多くは
- 金融商品を知人や銀行担当者の勧めで購入
- 自分で商品のリスクや仕組みを理解していない
- 一種類の資産に偏ったポートフォリオを組んでいる
など、“なんとなく投資”のまま資産が膨らんでしまったケースも少なくありません。
崔氏は、こうした人たちに対して
「長期投資といっても、単一商品に依存するのではなく、株・債券・金・外貨・仮想通貨など、資産の“分散”が極めて重要」
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と語っています。
5|投資で気をつけたい“時間分散”と“過信”
よく「毎月コツコツ積立て投資すれば、いつかは報われる」と言われます。
しかし、これは**“平均回帰性(価格はやがて平均値に戻る)”がある資産に限った話**。
すべての資産がそうなる保証はありません。
- 資産ごとに異なるボラティリティ(値動き)
- 外的ショックによる価格崩壊(金融危機、地政学リスク)
- 長期投資でも損をする可能性
これらを理解せず、“NISAに積立すれば安心”と過信するのは危険なのです。
6|増えた富裕層は日本経済にプラスなのか?
「1億円を持っている人が増えたなら、日本は景気が良くなるはず」と思うかもしれません。
しかし、前述の通り、“堅実”で“使わない”のが新富裕層の特徴です。
日本経済にとって、消費が回らなければ意味がありません。
崔氏は今後の課題として
「住宅購入やリフォームなど、大型消費にインセンティブを与える減税制度が必要」
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と提言しています。
資産を持っていても使わないのでは、マネーは経済に循環しません。
今後の成長の鍵は、彼らに**“使ってもらう理由”を提供できるか**にかかっているのです。
まとめ|“知らぬ間に資産家”になった時代の功と罪
「いつの間にか富裕層」が増えたことは、ある意味で日本社会の新しい成功モデルです。
- コツコツ続ければ資産形成は誰にでも可能
- 賢く備えた人が報われる時代
しかし一方で、
- 適切な知識のない投資判断
- 消費されない富による経済の停滞
- 格差の見えにくさ
といった副作用も抱えています。
🔑 投資家としての視点で見れば…
- 「いつの間にか富裕層」の動向は、消費・不動産・資産運用市場に影響を与える
- 投資を始めたばかりの人は、彼らの成功と過信のバランスを教訓にできる
- 日本経済の将来を考える上でも、この新マネー層の役割は無視できない
あなたは、気づけば“富裕層”になっている側? それとも目指す側?
いずれにしても、「お金との向き合い方」を、改めて考えるタイミングが来ているのかもしれません。
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