オリエンタルランド(4661)の企業分析|2025.02.

オリエンタルランドは東京ディズニーリゾート(TDL・TDS)を運営する企業ですが、単なるレジャー施設運営にとどまらず、強力なブランド力収益モデルを持つ日本屈指の企業です。

本記事では、

  • オリエンタルランドの基本情報とビジネスモデル
  • 業績や財務データの分析
  • 将来性
  • 株価分析
  • 投資リスクと今後の見通し

を詳しく解説していきます!

📌 1. オリエンタルランドの基本情報とビジネスモデル

✅ 企業概要

  • 会社名:オリエンタルランド(Oriental Land Co., Ltd.)
  • 設立:1960年7月11日
  • 上場市場:東証プライム(4661)
  • 時価総額:約5兆円(※最新データ要確認)
  • 事業内容:東京ディズニーリゾートの運営・管理、ホテル事業、商業施設事業

📌 オリエンタルランドは東京ディズニーリゾート(TDL・TDS)を運営する企業ですが、ディズニー本社(米国ウォルト・ディズニー社)とは異なり、日本国内の事業ライセンスを取得して独自に運営しています。そのため、オリエンタルランドはウォルト・ディズニー社の子会社ではなく、日本独自の経営方針で運営されているのが特徴です。

ライセンス契約により、ディズニーキャラクターの使用やアトラクションの導入は可能ですが、経営判断や投資計画はオリエンタルランドが独自に行っています

また、売上の一定割合をロイヤリティとしてウォルト・ディズニー社に支払う仕組みになっていますが、国内のマーケットに適した運営戦略を展開できる点が強みとなっています。

投資家Y
投資家Y

オリエンタルランドは、言わずと知れたディズニーブランドの強力な競争優位性を持つ日本屈指のエンタメ企業。みんなも一度は行ったことがあるんじゃないか?

✅ ビジネスモデル

オリエンタルランドの収益は、以下の3つの事業から成り立っています。

事業セグメント内容
テーマパーク事業東京ディズニーランド・東京ディズニーシーの運営、入場料、飲食・物販収益
ホテル事業ディズニーホテルの運営、宿泊・レストラン収益
商業施設事業イクスピアリ(ショッピングモール)やモノレール運営

さらに2028年度には日本を拠点とするディズニークルーズ事業を開始する予定です。

📌 売上の約8割がテーマパーク事業で占められており、入場者数と消費単価の増加が業績に直結します。

投資家Y
投資家Y

オリエンタルランドの収益は、テーマパークの入場者数1人当たりの消費額(ARPU)によって決まる。
ARPU(Average Revenue Per User)= チケット収入 + グッズ販売 + 飲食代
特に、チケット価格の値上げと、園内の消費単価向上が収益を押し上げる要因となるんだ。

📌 2. 業績・財務データの分析

✅ 直近の業績(売上・利益の推移)

オリエンタルランドの売上・利益の推移を見てみましょう。

決算年度売上高営業利益純利益ROE
2021年約1,706億円▲460億円▲542億円
2022年約2,757億円77.3億円80.7億円1.07%
2023年約4,831億円1,112億円807億円9.73%
2024年約6,185億円1,654億円1,202億円12.66%

📌 コロナ禍の影響で2021年は赤字だったものの、2022年以降は回復。2024年には過去最高益を更新!

📌 ROE(株主資本利益率)はコロナ禍の影響があった年を除く過去10年間で平均約11%程度で、資本効率も安定している。

📌EPSは2015年の43.14から2024年の73.39まで成長し、コロナ禍を含む過去10年間でのEPS成長率約5%ほどである。

✅ 財務の安定性

指標内容
自己資本比率約70%(財務健全性が高い)
有利子負債比率約20%(優良企業)
営業キャッシュフロー毎年プラスで安定(コロナ禍除く)

📌 ディズニーブランドの強さと、価格戦略により利益率が高く、財務基盤は非常に健全!

投資家Y
投資家Y

オリエンタルランドの財務は非常に安定しており、自己資本比率70%以上と財務健全性が高い。ここ一年は大きく株価を下げてはいるが、借金も少なく、潤沢な現金を持っているため、長期的な投資に向いた銘柄と言えるだろう。

📌 3. 成長戦略と将来性

オリエンタルランドの成長戦略として、以下の3つが注目されます。

✅ ① 東京ディズニーリゾートの拡張

  • 2024年には東京ディズニーシーの新エリア「ファンタジースプリングス」が開業!
  • 新アトラクション・ホテルが増え、さらなる集客増加が期待される。
  • 長期的にはクルーズ船事業も発表しており、新たな成長ドライバーになり得る。

✅ ② インバウンド需要の回復

  • コロナ禍で低迷していた訪日外国人観光客が急回復。
  • 中国・東南アジアからの観光客増加が期待できる。
  • 円安の影響で、日本のテーマパークは相対的にお得感が増し、訪日観光の魅力が向上。

✅ ③ 価格戦略(チケット値上げ)

  • 2023年にチケット価格を最大1万900円まで値上げ。
  • それでも入園者数は少し減ったものの、むしろ客単価が増加し、利益率向上。
  • ブランド力の強さが価格戦略の成功要因!

📌 4.株価分析

✅ オリエンタルランドの株価下落の主な理由まとめ

オリエンタルランドの株価はここ1年間で大幅に下落している。
その理由として挙げられるのが、

1️⃣ 業績の減少と来園者数の懸念
➡ 人件費の増加や運営コストの上昇により、本業の利益が減少。
➡ チケット値上げの影響で、入園者数が伸び悩む懸念が広がる。

2️⃣ 株価の割高感への警戒
➡ PERやPBRが高水準で、投資家の間で「過熱感」が意識される。
➡ 割安な銘柄へ資金が流れ、オリエンタルランド株の売りが増加。

3️⃣ 大型投資による先行き不透明感
➡ 「ファンタジースプリングス」の開業やディズニークルーズ事業の開始など、大型投資が続く。
➡ 投資負担が業績にどう影響するか不透明で、慎重な投資判断が増える。

4️⃣アクティビスト(物言う株主)からの圧力
➡ オリエンタルランドの主要株主である京成電鉄は英国の投資ファンドであるパリサー・キャピタルから、オリエンタルランド株の保有比率を15%未満に引き下げ、その売却益を設備投資や株主還元に充てるよう求められた。
➡ 京成電鉄は成長投資への資金需要があり、オリエンタルランド株の一部売却を通じて資金を確保し、資本効率の向上を図る意図もあった。

これらの要因が重なり、株価下落につながっているが、インバウンド需要回復や新規事業の成長次第で今後の展開に注目が集まる。

✅ 疑似債権としたときの期待収益率

まずは株主資本の予想成長率を求める。
株主資本の予想成長率=ROE(1-配当性向)となるので、過去10年間の平均から
ROE=11% 配当性向=16% とすると
11%(1-16%)=9.2%  予想成長率=9.2%となる。

次に株主資本の予想成長率と直近の一株当たり株主資本(BPS)から10年後の予想BPSを計算する。
つまり、予想BPS=直近のBPS×(1+株主資本の予想成長率)^10となるので
直近のBPS=576円 とすると
576×(1+9.2%)^10=1395 予想BPS=1395円となる。

これに平均ROEを掛けて10年後の予想EPSを計算する。
1395×11%=153 予想EPS=153円。

そして過去10年間の平均PERを掛けると10年後の予想株価が求められる。
平均PER=45倍とすると
153×45=6885 予想株価は6885円となる。

最後に予想株価と現在の株価から期待収益率を計算する。
期待収益率=(予想株価/現在の株価)^1/10-1 となるので
(7650/3030)^1/10-1=9.7 期待収益率=9.7%となる。

つまりオリエンタルランドの株価は今後10年間は年平均で9.7%成長すると予想できる

✅ 過去のEPS成長率からみた期待収益率

まずは直近のEPSと10年前のEPSから過去の平均EPS成長率を求める。
平均EPS成長率=(直近のEPS/10年前のEPS)^1/10-1となるので
直近のEPS=73円 10年前のEPS=43円 とすると
(73/43)^1/10-1=5.4%  平均EPS成長率=5.4%となる。

次に平均成長率と直近のEPSに基づいて10年後の予想EPSを計算する。
予想EPS=直近のEPS×(1+平均成長率)^10となるので
73×(1+5.4%)^10=123.5 予想EPS=123.5円。

この予想EPSに10年間の平均PER=45倍を掛けると
123.5×45=5557 10年後の予想株価=5557円となる。

期待収益率=(予想株価/現在の株価)^1/10-1 から
(5557/3030)^1/10-1=6.2% 期待収益率は6.2%となる。

つまりオリエンタルランドの株価は今後10年間は年平均で6.2%成長すると予想できる

✅分析結果

ROEに基づいた予想とEPSに基づいた予想で大きな違いはあるが、
10年後の予想株価は 5500円~6800円
期待収益率は 6%~9% と予想することができる。

※もちろん今後さらに株価が下がったり、平均PERの値を変えれば予想は変動する。

📌 5. 投資リスクと今後の見通し

✅ 投資リスク

  • 景気変動の影響を受けやすい(不況時には入場者数減少のリスク)
  • チケット価格の上昇がどこまで受け入れられるか?(消費者の許容度)
  • 競合他社の影響(USJの拡張・海外のエンタメ施設との競争)

✅ 今後の見通し

オリエンタルランドは、

  • テーマパークの拡張+インバウンド回復+価格戦略の強化によって、今後も成長が続く可能性が高い。
  • 財務基盤が強く、安定的な成長が期待できるため、長期投資に適した銘柄といえる。
投資家Y
投資家Y

新エリア『ファンタジースプリングス』の開業やディズニークルーズ事業の開始で成長が期待される一方、大型投資の回収や株価の割高感には注意が必要。長期的にはブランド力とインバウンド需要の拡大が追い風となるだろう。

📌 6. まとめ|オリエンタルランドは長期投資向きの優良銘柄!

  • ディズニーブランドの強さと独占的なビジネスモデルを持つ
  • コロナ禍からの業績回復が順調で、過去最高益を更新
  • 東京ディズニーリゾートの拡張やインバウンド需要の回復が成長を後押し
  • 株価は下落しているが財務が健全で、長期投資に適した銘柄

オリエンタルランドは、ブランド力・成長性・財務の安定性が揃った、日本株の中でも有望な投資先の一つ。

長期的に成長が期待できるため、ポートフォリオに組み込む価値は十分にありそうだ!💡🎢✨

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