株式投資において、最も基本的でありながら重要なテーマの一つが「株価の変動理由」です。投資初心者の多くが、「なぜ株価が上がるのか?」「なぜ株価が下がるのか?」という疑問を抱えます。実際の市場では、さまざまな要因が複雑に絡み合いながら株価が変動しますが、基本的な仕組みを理解しておくことで、投資判断をより合理的に行うことができます。
本記事では、株価の変動要因について詳しく解説し、投資初心者でも理解しやすいように具体例を交えながら説明していきます。

1. 株価はどう決まるのか?
1.1 株価の基本原則
株価は「需要と供給のバランス」によって決まります。
• 買いたい人が多ければ(需要が多ければ)株価は上がる
• 売りたい人が多ければ(供給が多ければ)株価は下がる

一般的な物の物価と同じだな。
欲しい人が多ければ高くなって、いらない人が多ければ安くなる。
数がたくさんあれば安くなって、少なくなれば高くなる。
つまり、株価は常に「投資家の心理」と「市場の状況」によって動いているということです。では、投資家の心理を動かす要因にはどのようなものがあるのでしょうか?
2. 株価が上がる理由
2.1 企業の業績が好調
株価が上がる最も基本的な理由は「企業の業績が良いこと」です。企業の売上や利益が増加すると、将来的に配当が増える可能性が高まり、投資家にとって魅力的になります。これが株の買い注文を増やし、株価が上がる理由の一つになります。
具体例:
• Apple(AAPL)がiPhoneの販売数を大幅に伸ばし、純利益が前年より20%増加
• トヨタが電気自動車市場で圧倒的なシェアを獲得し、売上が大幅に拡大
2.2 市場全体の好調(景気が良い)
経済全体が成長していると、企業の利益も伸びやすくなります。その結果、株価も上昇しやすくなります。特に、景気が拡大しているときは、企業の業績が向上しやすく、投資家の買い意欲が高まります。
具体例:
• 米国のGDPが好調で、企業の売上全体が増加
• 日本の輸出が好調で、輸出関連企業の株価が上昇
2.3 金利が低い
金利が低いと、企業は資金を借りやすくなり、設備投資や事業拡大がしやすくなります。また、投資家は銀行に預金していても利息がつかないため、株式市場に資金が流入しやすくなります。
具体例:
• 米国のFRB(連邦準備制度理事会)が金利を引き下げ、投資家が株式市場に資金を投入
• 日本銀行が低金利政策を継続し、株式市場にマネーが流れる
2.4 投資家の期待感
企業が将来成長すると期待される場合、実際の業績がまだ伴っていなくても株価が上がることがあります。これを「期待相場」と呼びます。特に新技術や新市場の開拓に成功しそうな企業は、投資家の期待が集まりやすいです。
具体例:
• Teslaが新型電池の開発に成功し、EV市場でのさらなる成長が期待される
• AI技術の発展により、半導体関連企業の株価が急騰
2.5 買収や合併(M&A)
企業が買収や合併を発表すると、事業の成長が期待され、株価が上がることがあります。
具体例:
• マイクロソフトが有望なスタートアップ企業を買収し、成長戦略を強化
• ソフトバンクが大手通信会社との合併を発表し、将来的な収益拡大が見込まれる
2.6 自社株買い
企業が自社の株を市場で買い戻す「自社株買い」を発表すると、株価が上がることが多いです。これは、市場に出回る株数が減ることで1株あたりの価値が上がるためです。
具体例:
• Appleが1兆円規模の自社株買いを発表し、株価が急上昇
3. 株価が下がる理由
3.1 企業の業績悪化
業績が悪化すると、将来的な利益が減ると見なされ、株価は下がります。
具体例:
• Googleの広告収入が減少し、純利益が前年より10%減少
• スターバックスが新規出店の失敗で赤字に転落
3.2 景気が悪化
景気が悪くなると企業の業績も悪化しやすく、株価全体が下がる傾向にあります。
具体例:
• 米国の景気後退懸念が強まり、NYダウが急落
• 世界的な不況により、日本の企業業績が悪化
3.3 金利が上昇
金利が上がると、企業の借入コストが増え、成長投資が難しくなります。また、投資家も預金や債券の利回りが良くなるため、リスクの高い株式を売る傾向が強まります。
具体例:
• FRBが金利を引き上げ、株価が下落
• 日本銀行が金融引き締めを実施し、日経平均が下落
3.4 予期せぬ悪材料
不祥事、災害、地政学的リスク(戦争や紛争)などの影響で、企業や市場全体の株価が下がることがあります。
具体例:
• 大手企業が粉飾決算を発表し、株価が暴落
• ウクライナ戦争の影響で世界の株式市場が混乱
3.5 株式市場の暴落(バブル崩壊)
過熱した相場が一気に崩れることで株価が急落することがあります。特に、バブル相場が崩壊すると、短期間で大幅な下落が発生します。
具体例:
• 2008年のリーマンショックによる世界的な株価暴落
• ITバブル崩壊でNASDAQが急落
4. 株価の変動をどう活かすか?
投資家は、株価の変動要因を理解しながら、適切な投資判断を行うことが重要です。
• 長期投資なら業績の良い企業に投資する
• 景気の動向を意識しながらポートフォリオを調整する
• 金利の動向をチェックし、株式市場の資金の流れを読む
• 短期投資なら市場のトレンドを活用する

投資の基本は安く買って高く売る。
これがなかなかに難しいんだけどな。
株価の上昇・下落を理解することで、リスクを抑えながら資産を増やすことが可能になります。投資の勉強を続けながら、適切な判断ができるようにしましょう。